【解説】日本柔道史上最年長でのメダル獲得 “柔道男子73kg級”銅メダル 橋本壮市
柔道男子73kg級に出場した橋本壮市選手は、3位決定戦でコソボ代表のアキル・ジャコバ選手を下し銅メダルを獲得した。32歳11カ月でのメダル獲得は、日本柔道史上最年長の記録となった。※トップ画像出典/Getty Images
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2回戦からの出場となった橋本選手は、初戦の相手であるブルガリア代表のマーク・フリストフ選手を“橋本スペシャル”とも呼ばれる得意技の袖釣込腰で技ありを奪い優勢勝ち。しかし準々決勝でフランスのジョアン=バンジャマン・ガバ選手との大戦では、ゴールデンスコアの末に指導3回の累積により反則負けを喫した。
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敗者復活戦に回ると、モンゴル代表のエルデネバヤル・バザヤ選手の技がヘッドダイビングの判定となり、反則勝ちで3位決定戦に進出した。3位決定戦では、開始早々に背負い投げで技ありを獲得。優勢勝ちで銅メダル獲得となった。
<パリ五輪の戦績>
2回戦:マーク・フリストフ/○袖釣込腰(技あり)
準々決勝: ジョアン=バンジャマン・ガバ/●反則負け(指導3)
敗者復活戦: エルデネバヤル・バザヤ/○反則勝ち(ヘッドダイビング)
3位決定戦 : アキル・ジャコバ/○背負投(技あり)
<Hồ sơ>
1991年生まれの橋本選手は静岡県浜松市出身。6歳で柔道を始め、32歳にして初めてのオリンピック出場が実現した。32歳でのオリンピック出場は、日本柔道男子で史上最年長。
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幾度も五輪への扉を阻み続けてきたのは、同世代の大野将平選手。大野選手が代表の座を射止めた2016年リオ五輪は、橋本選手は補欠での参加となった。前回の東京2020の選考においても、橋本選手が2019、2020年とGSパリで連覇を果たしたものの、代表の座は2019年の選抜体重別で橋本選手を破った大野選手に。橋本選手は再び補欠としての選考となった。
一方の大野選手は、五輪2連覇を成し遂げた。橋本選手はその悔しさをバネに、2021年の世界柔道ブタペストで3位、2022年の世界柔道タシケントで2位、同年のGS東京で優勝を果たすなど成績を積み重ねていく。その間、大野選手の現役引退などもあり、柔道を始めて27年で念願のオリンピックの切符を掴んだ。初出場のパリでは個人で銅メダルを獲得したほか、団体では銀メダルを獲得した。
<コメント>
何度も何度も掴みかけて、ようやく手にした五輪の切符。殊勲の銅メダルについて橋本選手は「手ぶらで帰るわけにはいかなかった。それと、自分の柔道人生に悔いが残らないようにしたかった」と振り返った。「金メダルには届かなかったが、いろいろな思いがある」。そう語る橋本選手の表情は、晴れ晴れとしたものだった。