サッカー女子 パリ五輪は3連勝で決勝トーナメント進出!なでしこジャパンの戦いぶりを振り返る
東京2020から2大会連続でオリンピックに出場したサッカー女子日本代表。2012年ロンドン五輪以来のメダル獲得を目指した彼女たちのパリでの戦いを振り返る。※トップ画像出典/DeFodi via Getty Images
予選リーグの組み合わせ抽選会が行われた2024年3月現在でFIFAランキング7位のなでしこジャパンは、FIFAランキング1位のスペイン、10位のブラジル、36位のナイジェリアとともにグループCに入った。
なでしこジャパンの状況について
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2021年から池田太監督による指揮の下、パリ五輪のアジア予選では、2次予選のインド、ウズベキスタン、ベトナムとの試合を11得点無失点という圧倒的な強さで駆け抜けた女子代表。最終予選では北朝鮮とのホーム&アウェイ戦を1勝1分で勝ち抜き、2大会連続6回目のオリンピック出場を決めた。
代表メンバーは6月14日の記者会見で発表され、マンチェスター・シティ(イングランド)でプレーする司令塔の長谷川唯、ASローマ(イタリア)所属で長らくこの年代のキャプテンを務めてきたベテラン熊谷紗希を中心に、2023年のワールドカップで得点王を獲得した宮澤ひなた(マンチェスター・ユナイテッド/イングランド)、期待の20歳・藤野あおば(マンチェスター・シティ)などが順当に選出された。
さらに、19歳の谷川萌々子(ローゼンゴード/スウェーデン)、18歳の古賀塔子(フェイエノールト/オランダ)といった顔ぶれも加わり、海外クラブ在籍メンバーが大半を占める編成となった。
しかし大会直前に行われた7月13日の強化試合で、DF北川ひかる(INAC神戸レオネッサ)が相手選手との接触により負傷。パリ到着後もMF林穂乃香(ウェストハム/イングランド)が怪我を負い、バックアップメンバーの守屋都弥(INAC神戸レオネッサ)、千葉玲海菜(フランクフルト/ドイツ)がメンバー入りした。
代表登録メンバー
KHÔNG
1. 山下杏也加(INAC神戸レオネッサ ※オリンピック当時)
18. 平尾知佳(アルビレックス新潟レディース)
22. 大場朱羽選手(ミシシッピ大)※バックアップメンバー
DF
2. 清水梨紗(ウェストハム/イングランド)
3. 南萌華(ASローマ/イタリア)
4. 熊谷紗希(ASローマ/イタリア)
5. 高橋はな(三菱重工浦和レッズレディース)
6. 古賀塔子(フェイエノールト/オランダ)
13. 北川ひかる(INAC神戸レオネッサ)
20. 守屋都弥(INAC神戸レオネッサ)※バックアップメンバー
21. 石川璃音(三菱重工浦和レッズ)※バックアップメンバー
MF
7. 宮澤ひなた(マンチェスター・ユナイテッド/イングランド)
8. 清家貴子(三菱重工浦和レッズレディース)
10. 長野風花(リバプール/イングランド)
12. 谷川萌々子(FCローゼンゴード/スウェーデン)
14. 長谷川唯(マンチェスター・シティ/イングランド)
15. 藤野あおば(日テレ・東京ベレーザ)
16. 林穂之香選手(ウェストハム/イングランド)
FW
9. 植木理子(ウェストハム/イングランド)
11. 田中美南(INAC神戸レオネッサ)
17. 浜野まいか(チェルシー/イングランド)
19. 千葉玲海菜(フランクフルト/ドイツ)※バックアップメンバー
第1戦 スペイン
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初戦のスペイン戦は、現地時間7月25日にオリンピック開幕に先立って行われた。スペインはオリンピック初出場ながら、2023年のワールドカップで優勝し、FIFAランク1位に君臨する強豪。対する日本は、長谷川、熊谷らが先発に名を連ねた一方、負傷により林がメンバーから外れた。
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▼先発メンバー
1. 山下杏也加
2. 清水梨紗
3. 南萌華
4. 熊谷紗希
6. 古賀塔子
7. 宮澤ひなた
8. 清家貴子
10. 長野風花
14. 長谷川唯
15. 藤野あおば
11. 田中美南
スコアボードを先に動かしたのは日本。前半13分にペナルティーエリア手前で獲得したフリーキックを、藤野が右足を振り抜いて直接ゴールを決めた。若手のエースの豪快な一発に勢い付くかと思われたが、その後はスペインの高いパスワークに翻弄され、2023年のバロンドール受賞者アイタナ・ボンマティに同点弾を許し、前半を1対1で終えた。
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後半が始まってもスペイン優勢の時間が続く中、日本は清水が右膝を痛めて68分に高橋はなと負傷交代に。その直後にスペインに追加点を献上し、バックアップメンバーから昇格した千葉をピッチに送り込み攻撃の活性化を促すも、最後まで決定機を作ることができないまま1対2で敗れ、黒星スタートに。ボール支配率は日本が31%、シュート数はスペイン3分の1と、スコア以上に力の差を痛感させられた。
第2戦 ブラジル
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スペイン戦から中2日の現地時間7月28日に行われたブラジル戦で、なでしこジャパンは、初戦から清家貴子、足の不調を訴えた藤野あおば、初戦で負傷した清水梨紗に代え、守屋都弥、高橋はな、浜野まいかを先発に投入した。藤野はベンチ外となった。
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▼先発メンバー
1. 山下杏也加 3. 南萌華 4. 熊谷紗希 5. 高橋はな
6. 古賀塔子 20. 守屋都弥 7. 宮澤ひなた 10. 長野風花
14. 長谷川唯 17. 浜野まいか 11. 田中美南
予選突破に向けて負けられない日本だったが、前半はブラジルがボールを支配する展開のまま時間が進み、前半終了間際には相手のファールから日本にPKのチャンスが巡ってくるものの、田中のシュートはGKに阻まれ、少ないチャンスをものにできなかった日本は前半をスコアレスで終えた。
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後半、早いうちに得点を奪っておきたい日本だったが、後半11分にブラジルにディフェンスの裏を突かれカウンターから失点。巻き返したい日本は、80分に宮沢と守屋に代えて千葉玲海菜と谷川萌々子を投入すると、徐々に攻撃が活性化し、終了間際の88分に谷川がドリブルから相手選手のハンドを誘い、日本に再びPKの判定が下った。このPKを熊谷がゴールに沈めて土壇場で同点に追いついた。勢いづいた日本はその4分後のアディショナルタイム、谷川がGKの頭上を越えるロングシュートを沈めて逆転に成功した。リードを守り切ってそのまま勝利を飾り、決勝トーナメント進出への望みを繋いだ。