圧巻のプレーに会場が沸いた！中村憲剛の引退試合で中村との鮮やかな連係を見せた選手

現役引退から4年、多くのレジェンドと観客が駆け付けた引退試合

2024年12月14日に開催された中村の引退試合には、100人を超える選手と2万2014人の観客がスタジアムに集結した。エキシビションマッチとして、1試合目になでしこフレンズとケンゴフレンズが対戦。続く2試合目の前半には、中村と共に日本代表として活躍したメンバーがJAPANフレンズとしてブルーとホワイトにわかれて試合を行った。そして後半はKAWASAKIフレンズマッチ。中村と川崎フロンターレで共闘したメンバーが、KAWASAKIフレンズのブルーとホワイトにわかれ試合を行った。

KAWASAKIフレンズマッチで見せた中村と鬼木達のコンビネーション

KAWASAKIフレンズマッチの開始9分、ペナルティーエリアの手前の中央辺りでボールを持ったブルーの中村が、左サイドの山村和也にパスを出す。山村がペナルティーエリアに向かってカットインするが、ディフェンスに阻まれ、中村にボールを戻す。山村がカットインしたと同時に空いたスペースに走りこんでいた鬼木達に、中村がパス。そこからワンタッチで鬼木が中村にパスを戻し、中村がさらにゴールに向かって走りこんだ鬼木にワンタッチでスルーパス。鬼木のシュートはディフェンスにブロックされたが、ワンタッチのパスでリズムを作り攻め込んだ中村と鬼木の鮮やかな連係プレーに歓声が沸いた。

このプレーについて解説者は「鬼っぽいですね」と話す。また「ダイナモ的」な選手で、粘り強い守備が特徴だったと、鬼木の現役時代を振り返る。

鬼木は、2000年～2006年まで川崎フロンターレに所属。その後、2007年に指導者に転身し、2010年から川崎フロンターレのトップチームコーチとなり、2017年からは監督となった。つまり中村にとって鬼木はチームの先輩であり、コーチであり、監督であったのだ。

川崎フロンターレは2006年、2008年、2009年とJ1リーグで2位の成績を残すが、なかなか優勝を手にすることができなかった。その状況の中、鬼木が監督に就任。その年のシーズンに、ついにJ1で初優勝を飾った。

中村の現役生活に欠かせない存在であった鬼木との連係プレー

2003年から川崎フロンターレ一途でプレーしてきた中村にとって、現役生活のほぼ全てに鬼木がいた。また川崎フロンターレというチームをトップで18年支えてきた中村は、鬼木にとっても大きな存在であっただろう。そんな2人が見せた、引退試合での見事なコンビネーションは現役時代を彷彿とさせた。ゴールには繋がらなかったものの、中村の代名詞であるスルーパスも引き出された一連のプレーは、本人たちにとってもサポーターにとっても胸が熱くなる瞬間ではないだろうか。

KAWASAKIフレンズマッチ終了後、最も憲剛を輝かせたプレーヤーであるMKKPの発表が行われ、鬼木がファン投票で選ばれた。本人は自分が受賞するとは思ってもいなかったようで、発表を聞いて驚いた様子。中村と並んだ姿は、2人の歴史を知るサポーターからすると感慨深かったことは想像に難くない。鬼木は「引退試合の中で、最も中村を輝かせた」と評されたが、これが「プロ生活を通じて、最も中村を輝かせた」であったとしても、サポーターが納得するようなMKKP受賞であった。

『憲剛引退試合を振り返ろう #3　憲剛と見事な連係を見せたあの選手は？』より
配信日：2024年12月14日（土）

※記事内の情報は放送当時の内容を元に編集して配信しています