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海外リーグで活躍する注目選手の強さの秘密とは?
海外リーグで活躍する日本人選手は増加の一途をたどり、選手個人のレベルも年々上がっている。日本代表の躍進にも繋がる海外組の動向は、サッカーファンとしては気になるところだ。元日本代表内田篤人が佐藤寿人をゲストに迎え、ヨーロッパサッカーでの日本人選手の活躍を振り返り、注目の選手を紹介する。※トップ画像出典/Getty Images
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海外リーグに所属する日本人選手の年末年始の活躍を振り返る
まずはソシエダの久保建英。新年最初のビジャレアル戦では、ロングボールに反応した久保選手が左足で貴重な1点を獲得。チームを勝利に導いた。19日のバレンシア戦では、1点ビハインドの62分から途中出場。88分、ドリブルをして相手に倒されながらもボールをキープする強さを見せたが、得点には繋げられず敗戦した。
スタッド・ランスの中村敬斗は、2025年の初戦で今シーズン7点目をマークするも、チームはサンテティエンヌに敗退。次の17節ニース戦では伊東純也もゴールを決め、好調な滑り出しを見せるが、勝利には結びつかなかった。さらに18節ル・アーヴル戦では、中村はいつもの左サイドではなく、中央のポジションで試合出場。後半ロスタイム、伊東選手のカットインから中央の中村へパス。放たれたシュートはGKに阻まれ、引き分けで終了。リーグ13位に転落した。
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モナコの南野拓実は、2024年の最終戦でパリサンジェルマンと対決。好調だった昨シーズンは、この時期に5得点を獲得していたが、今シーズンは1得点のみ。王者であるパリサンジェルマンの、強固な守りを崩せずに敗退した。第18節モンペリエ戦でも、狭いエリアを突破する南野選手の持ち味が発揮できず、無得点に終わった。
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パルマの鈴木彩艶は、1月6日のトリノ戦を無失点で終え、今シーズン初のマン・オブ・ザ・マッチに選ばれた。さらに第21節ヴェネツィア戦。チームは攻め込まれるが、鈴木選手の好セーブで得点を防ぎ、引き分けで試合終了となった。
リーズの田中碧は1月5日のハル戦で、見事なミドルシュートを決め、これが移籍後初ゴールとなった。19日に行われたシェフィールド・ウェンズデイ戦でも田中選手は躍動。味方が放ったボレーシュートにゴール前で反応し、ヒールキックで押し込んでゴールネットを揺らした。
移籍後初ゴールを決めたリーズ・田中選手の活躍が著しい
日本代表組の中では、リーズの田中がクラブチームで結果を出し、評価を高めている。5日のハル戦で決めた初ゴールを「素晴らしい」と佐藤氏が絶賛。「ボールを受けたあとに少しゴールから離れると、(普通は)守備側は寄せずに『バックパスか横パスをするだろう』という反応になると思います。しかし(このときの田中選手は)前向きに腰を回して(ボールを蹴り)ファーサイドにシュートを決めました。」と解説した。
田中は、多くの試合の得点シーンを見て、どうやったら得点を取れるかを日々分析している。それが良い結果に繋がっているようだ。
佐藤氏も田中と同じく現役時代は分析を行っていたようで「クロスから(得点を決めた試合の)ゴールを抜き出してもらい、それを見ながらクロスを上げた場所と、合わせた位置を全部チェックしていた」と語る。それを練習に生かしたことで、自分自身だけでなくチーム全体のクロスやシュートの精度が上がり「Jリーグ優勝に繋がった」と振り返った。
現在、リーズはリーグ1位で、来シーズンにプレミアリーグに昇格できる可能性が高まっている。来シーズンは、プレミアリーグで活躍する田中選手を見られるかもしれない。
およそ2か月ぶり先発出場した遠藤航が偽CBで大活躍
遠藤選手は、12月のカラバオ杯準々決勝にCBで起用され、およそ2か月ぶりに先発出場を果たした。地上デュエル勝率100%、パス成功率93%をマークし、ファンが選ぶ12月の月間最優秀選手に選ばれた。変則的な2センターポジションで、攻撃にも関わるという偽CBで存在感を示した。
日本代表において、遠藤選手はボランチで起用されている。日本代表でCBとして出場する可能性について、内田氏は「チームとしての狙いをみんなが理解すれば、もしかしたら偽CB的な役割に就くことがあるかもしれない もしW杯が早めに決まったら、そういうオプションがあってもいいのかな」と話した。
GK鈴木選手の強さの秘密に、ストライカー目線で佐藤氏が迫る
最後は、12月にファン投票によって選ばれるクラブの月間MVPを受賞した鈴木に注目。筋肉質な見た目もあり、チームメイトから「アニマル」と呼ばれることもあるのだとか。
そんな鈴木の活躍の秘訣を、佐藤氏がFWとして分析。「サイズがあるのでリーチがあり、シュートストップのエリアが広いと思います。僕はGKの足の動きをよく見るのですが、ポジショニングだったり修正だったり、直近の試合でもフィニッシャーに対してしっかり足が動いている。(そのおかげで相手のゴールを)防いでいるシーンが多いですね」。
佐藤氏は、優れたGKの条件として、「『GKの間合い』に持っていけるGKには、格があると思う」と話す。例として権田修一の名前を挙げ「わざと(空間を)開けておいて、フィニッシュできる場所にコントロールして、間合いを詰めている」と説明。鈴木選手に対しても「そういうレベルだと思いますよ」と評価した。
欧州リーグには、多くの日本代表選手が所属している。それぞれの選手のクラブチームでの活躍だけでなく、日本代表に召集されたときにはどのような姿を見せてくれるか、期待が高まる。
「DAZN内田篤人のFOOTBALL TIME #216:欧州日本人&各国リーグ見どころ」より
※記事内の情報は放送当時の内容を元に編集して配信しています