
次世代の長打力と投球術が魅力!2025年のプロ野球、大化けしそうな育成枠プレーヤーとは
破格の契約金と年俸、大きな期待を背負って入団する支配下登録のプロ野球選手とは異なり、最低年俸240万・3桁の背番号で入団するうえに、1軍出場を認められていない“育成枠”の選手たち。しかし、そんな逆境を跳ねのけてトッププレーヤーになった選手も少なくない。松本哲也(読売ジャイアンツ)や山口鉄也(読売ジャイアンツ)、現役でも千賀滉大(ニューヨーク・メッツ)、甲斐拓也(読売ジャイアンツ)らがその代表格だ。そこで、現在は育成枠に甘んじているものの今後大化けしそうな選手たちを紹介する。※トップ画像出典/photoAC

異次元の長打力が魅力のラタナヤケ・ラマル・ギービン
未来のホームランバッターとして期待を集めているのは、埼玉西武ライオンズに2024年ドラフト育成3位で入団したラタナヤケ・ラマル・ギービンだ。ラマルは名門・大阪桐蔭出身で高校通算33本塁打をマーク。2年秋の明治神宮大会では右中間方向に突き刺さる弾丸ライナー弾を放ち、高校生離れしたパワーを披露した。大阪桐蔭・西谷監督も「パワーだけなら教え子でナンバー1」と絶賛していたほどだ。しかし、内野・外野どちらも守備に難があったために3年夏はレギュラーを取ることができず、育成枠での指名に至ったようだ。
それでも新人合同自主トレでの打撃練習では、高い放物線を描く柵越えの打球を連発して同期の支配下登録選手たちも舌を巻いていた。ハイレベルな投手の変化球やボールのキレに苦労する可能性はあるが、クセの少ない自然体なスイングなのですぐに対応できそうだ。今季2軍でホームランを量産すれば、右の長距離打者が枯渇する西武だけに早々に支配下登録もあり得そうだ。近いうちに“おかわり君”こと中村剛也の後継者になってくれるだろう。
ヤクルトの救世主になり得るアンダースロー・下川隼佑
2024年ドラフト育成3位で入団した東京ヤクルトスワローズの下川隼佑も一気に飛躍する可能性を大いに秘めた選手だ。緩急を巧みに扱う投球が光るアンダースロー投手で、オイシックスに所属していた昨季はイースタン・リーグで40試合112イニングに登板、リーグ最多となる102奪三振を記録。プロ2軍相手に圧巻の投球を披露し続けた。特に右腕のしなりを利かせた浮き上がってくるような直球は、現役のアンダースロー投手の中でも上位の球威を誇る。スライダーやツーシームといった持ち球をコースに投げ分けることができれば1軍でも活躍は可能だろう。
ここ数年のヤクルトは投手陣の薄さが低迷の要因でもあるため、先発・中継ぎどちらでも投げられる下川は貴重な存在。オープン戦で結果を残して支配下登録をゲットすれば、チームの救世主になれるはずだ。
“公務員”出身の苦労人、完成度の高い右腕・早川太貴
日本一奪回を狙う阪神タイガースの中で大化けしそうな育成選手といえば、2024年ドラフト育成3位で入団した遅咲き右腕・早川太貴だ。
国立の小樽商科大を卒業後、市役所の福祉課で勤務しながら社会人クラブチームでプロ入りのチャンスを探っていた苦労人で、昨年は2軍に新規参入したくふうハヤテに所属し、防御率3.22と好成績をマーク。ダイナミックなフォームから球速以上の重さを感じるストレートを投げるほか、変化球の制球力やマウンド度胸が魅力的で非常に実戦向き。1年間投げられるスタミナがあれば、中継ぎエースになる可能性もあるだろう。外国人のホセ・ベタンセスや160キロ近い速球を投げる工藤泰成をはじめ、育成枠でのライバル投手も多いが、完成度の高い早川が支配下登録を勝ち取る可能性は十分だ。
“新庄野球”にハマりそうなパワフル打者・山口アタル
新庄剛志率いる北海道日本ハムファイターズで支配下登録を狙える注目選手は、1軍キャンプに抜擢された2022年ドラフト育成3位指名の山口アタル外野手だ。日本人の父親とカナダで生まれ育った母親を持つ山口はカナダで生まれ育ち、代表選手として世界大会にも出場。しかしながら日本のスカウト陣からはノーマークだったため、各球団に動画付きの推薦メールを送って育成指名を勝ち取ったという前代未聞の経歴を持つ。
選手としては抜群の身体能力がセールスポイント。トップ選手級のスイングスピードに加え、バスケ選手顔負けのジャンプ力、投手として150キロ超えをマークしたこともある肩の強さは目を見張るものがある。また、昨季は2軍で35試合に出場して4本塁打を放つなど、自慢の長打力を見せつけて着実にレベルアップ。常にフルスイングゆえ、打球方向が引っ張り一辺倒なので広角に打てる技術を身につければ、現役ドラフトで移籍してきて活躍した水谷瞬や万波中正以上のブレークもありえそうな大器だ。
豪速球で三振を奪う長身イケメン・川口冬弥
数多くの育成出身選手をスターに成長させてきた福岡ソフトバンクホークスにも、新たに大化けが期待される投手がいる。徳島インディゴソックスから2024年ドラフト育成6位で指名された川口冬弥だ。
昨季の四国アイランドリーグでは最優秀防御率と最多セーブを記録。豪快に投げ下ろすフォームが印象的で、角度のある速球と落差の大きいフォークで三振の山を築いていく守護神タイプだ。キャンプでもそのピッチングスタイルは健在で、ライブBPで対戦した打者を150キロ近いストレートと低めに決まるフォークで圧倒し、首脳陣に猛アピールをしている。また、整ったルックスをしており「圧倒的イケメン」「カッコよすぎる」と女性ファンをすでに虜にしており、支配下登録入りし1軍デビューを果たせば人気選手になることは間違いなしだ。
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