元体育会ソッカー部な国会議員!元榮太一郎(参議院議員&弁護士ドットコム株式会社 代表取締役会長)のJリーグを世界一のリーグへ 「第3回:仲山考材(株)代表取締役&楽天大学 学長 仲山進也 Vol.5」
1993年当時のJリーグと同時期にスタートしたイングランドのプレミアリーグの市場価値は1対1であった。しかし、現在ではかなりの差をつけられている。「どうすればJリーグがプレミアリーグに追いつくほど盛り上がるのか?サッカーに携わる方々の待遇がより良くなるのか?」そんな課題に対して、元体育会ソッカー部の元榮太一郎が動いた。サッカー関係者から話を聞き、実行に移していく新企画。第3弾は仲山考材株式会社代表取締役&楽天大学学長の仲山進也氏との対談である。進行役はKING GEARの発起人である金子達仁が務めた。
Koike Kikuchi
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2020/02/17
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Yuan Rong:金子さんと思いが一致しているのは、もうちょっと各クラブにお金が集まりやすいような仕組みづくりをする必要があるということです。
その仕組みのひとつとして、「楽天がプロ野球球団を持ったことによって、おばあちゃんまでもが楽天を知るようになった」という知名度の高まりというのは、チーム名に企業名を付けられるから、その効果が得られるのですよね。
チーム名に企業名が付いていないと、楽天が株主だなんて誰も知らないでしょう。テレビCMでも浸透しない人たちに、そんなことが浸透するはずがない。
――マニアにしか伝わらない。
Yuan Rong:そうなんですよね。チーム名に企業名が付けられるような権利を一定条件で認めていった方が、企業も腹をくくって出資できますよね。例えば弁護士ドットコムが腹くくって特定のクラブに出資するとか。
「J2からJ1に上げるぞ」などの経営判断がしやすいんですよね。今だと、そのお金って本当に生きたお金になるの?株主に対して説明可能なの?ってなるんです。
各社の株主総会や取締役会で問題になり、それが「経営判断でやるかどうか?いくら突っ込むのか?」になった際に、必ず小さい方向に収まってしまうんですよ。
保守的な方向で判断せざるをえない状況があると思います。そこら辺ってどうなのかなって?
仲山:・・・わかんないです(笑)
Yuan Rong:個人的にはですね、お金が集まるようなJリーグを実現するためには、モラルとか法令に反しないところで、色々と手数を打たないと、そんなに持ち時間はないんじゃないかなと思います。
それこそアジアのプロリーグなどが元気になってきちゃって、日本が年々埋没していく中で、その時点になって頑張ったって更に難しくなっちゃうわけで。ラストチャンスというほどでもないかもしれませんけど、そろそろその時期がきているかなと。
――タイムリミットに近づいてきていますよね。もうJ2のギャランティーよりもタイの一部リーグの方が上でしょうしね。
仲山:ちゃんと積み上がることをしないと。日本人ってけっこう「怒られないために仕事をする」傾向が強いです。本質的なことは置いておいて、怒られないように今月乗り切る、今年乗り切るみたいなことを、ずっと続けているだけという仕事の仕方をしていると厳しいですよね。
Yuan Rong:ことなかれ主義になってしまいますよね。
仲山:クラブとしてもちろん赤字は出さないという最低条件はクリアしつつ、余力でちゃんとコミュニティ醸成のようなことを積み上げていくというのをやり続けられれば、どこかで何かが変わる気がします。
Yuan Rong:僕もクラブの株式を少しもっていたりするので、毎期の決算などがわかるわけですよ。だいたいですね、ギリギリ黒字なんですよ。どんな数字合わせをしたのかわからないですけど。
でもやっぱり、成長投資のための資金が必要なので、毎年増資していますよね。そんな感じで、苦しい経営をしているクラブが55もあるので、特にJ2レベルだとそういうクラブが多いですよね。
だから、新しいことをできる余力がすごく狭まっているような気がしています。こういう中では、進化していけるような感じがしないのですが。
――先ほど「現場は悪くない。頑張っている。ただ怒られないようにすること、頭を下げることが染みついてしまっている」という話があったじゃないですか。
仲山:頭を下げるのではなくて、「自分は言われたことはちゃんとやっています」みたいな感じです。全員が言われたことをちゃんとやったとしても、何にも積み上がっていないとしたら、そもそも指示がよくないですよね。
――という日本で、積み上げるという作業を行うためにはどうすれば良いですか?
仲山:僕が楽天でやってきた出店者さん同士の繋がりが密になるような活動って、会社から指示されたことではなくて、KPIにもなっていないんですよ。
なので、僕は社内では「遊んでいる人」に見られていると思います(笑)。でも、こんなに人数が増えてきて、KPIを一生懸命やって足元の数字をつくっている人がたくさんいるんだったら、一人くらいKPIと関係ないことをやっていても会社は潰れないから、やっちゃおうと思って、ずっとやり続けてきました。
するとさっき言ったみたいに、楽天には出店者同士の繋がりという文化や風土みたいなものが生まれました。
Yuan Rong:具体的にどうやって出店者をエンパワーメントしているのですか?
仲山:楽天大学ができる前は、ECコンサルタントとして個別に出店者さんとメールや電話をして、「こんなことをやってみたらどうでしょう」とか色々試行錯誤しながら進めていました。
やっていくうちに上手くいくお店が出てきたり、失敗パターンも見えてきたりするので、それを体系化して講座をつくって、共通言語化していきました。
店長さんは孤独に頑張っていると、心が折れたり、やる気が続きにくくなりやすかったりするので、仲良くなりやすいようにグループワークを多用しました。
ネットの会社の教育機関ですから「オンラインですか?」と言われますが、僕はずっとこれは「リアル」に意味があって、友達ができて帰るというところに半分くらいの価値があると思ってやっていました。
もっと仲良くなりやすい座組みがないかと、二泊三日の合宿をやってみたり、三か月プログラムみたいなのものをやるようにしたりなど、色々と試しながらやっていたら、どんどん良い感じに発酵していきました。
Yuan Rong:面白いですね。
仲山:「この機能ってどうやって使っているの?」みたいな具体的な話から、もっと抽象度の高い経営の話ができる仲間が増えると、みんな伸びていくんです。まとめると、めちゃくちゃ泥臭いことしかやっていないです。
Yuan Rong:それが一番の力になるわけですよね。
仲山:僕はそう思います。サッカークラブも市民との関係性のつくり方などが大事で、マーケ施策が一発当たったからどうとかではないんです。
結局は、人と人とのコミュニティを醸成できるかが大事なんです。サッカーを取り巻く現状から、ゲームのルールを変えたり、どこかで確変を起すためにはそこが一番早いのかなとも思います。
Yuan Rong:なるほど。
仲山:日本では、サッカースタジアムも「仲間に会いに行く場所」にはまだなっていない感じがします。一人でフラッと行っても仲間がいる状態になったら、コミュニティが発酵してきた感じがします。小さい町の方が早く可能かもしれませんね、顔と名前が一致する関係ができるまで。
――小さい街で、そして郷土愛って、すごく大事だと思うんですよ。そういう意味では鹿児島とか福島とかはこれから盛り上げてもらいたいですし。
仲山:どちらかというと、コミュニティって、サイズよりも核になる人がいるかどうかがすごく重要な気がします。
自分がやっている仕事を説明するときに、「ぬか床をかき回す係」と言ったりします。
楽天出店者のぬか床がある。ぬか床って微生物の集まりじゃないですか。たまたま僕が手を突っ込んでかき回したことにより、この人とこの人が出会って何か化学反応が起こるみたいなことを、一緒にぬか床に浸りながら、かき混ぜているというイメージなんです。
そういう係の人がいるコミュニティといないコミュニティとでは、発酵の進み具合いが全然違うと思うので。ちなみに、発酵系の商品を扱っている人と話すと、「ちょっと間違えると腐敗するけど、上手くいくと発酵するよね」という話で盛り上がります。
――けっこうギリギリなんですね。
仲山:ギリギリなんですよ。ある施策をやったことによって、どう結果が出るかはわからないから、ずっと見ているというのが大事なんです。ずっと変化を見ながらちょっとずつチューニングをするのが、コミュニティファシリテーターなんです。
――盤石な方程式では全くないんですね。
仲山:じゃないですね。職人技というか。みんなと繋がって、どの人がどこで何をやっていて何が得意かみたいなことがわかってくると、「価値の共創」が生まれやすい環境をつくれるようになってきます。
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「複業」で成功する 元榮太一郎/著 https://www.shinchosha.co.jp/book/610838/
サッカーとビジネスのプロが明かす育成の本質 才能が開花する環境のつくり方 菊原志郎/著 仲山進也/著 http://www.tokuma.jp/bookinfo/9784198649241
Yuan Rong:金子さんと思いが一致しているのは、もうちょっと各クラブにお金が集まりやすいような仕組みづくりをする必要があるということです。
その仕組みのひとつとして、「楽天がプロ野球球団を持ったことによって、おばあちゃんまでもが楽天を知るようになった」という知名度の高まりというのは、チーム名に企業名を付けられるから、その効果が得られるのですよね。
チーム名に企業名が付いていないと、楽天が株主だなんて誰も知らないでしょう。テレビCMでも浸透しない人たちに、そんなことが浸透するはずがない。
――マニアにしか伝わらない。
Yuan Rong:そうなんですよね。チーム名に企業名が付けられるような権利を一定条件で認めていった方が、企業も腹をくくって出資できますよね。例えば弁護士ドットコムが腹くくって特定のクラブに出資するとか。
「J2からJ1に上げるぞ」などの経営判断がしやすいんですよね。今だと、そのお金って本当に生きたお金になるの?株主に対して説明可能なの?ってなるんです。
各社の株主総会や取締役会で問題になり、それが「経営判断でやるかどうか?いくら突っ込むのか?」になった際に、必ず小さい方向に収まってしまうんですよ。
保守的な方向で判断せざるをえない状況があると思います。そこら辺ってどうなのかなって?
仲山:・・・わかんないです(笑)
Yuan Rong:個人的にはですね、お金が集まるようなJリーグを実現するためには、モラルとか法令に反しないところで、色々と手数を打たないと、そんなに持ち時間はないんじゃないかなと思います。
それこそアジアのプロリーグなどが元気になってきちゃって、日本が年々埋没していく中で、その時点になって頑張ったって更に難しくなっちゃうわけで。ラストチャンスというほどでもないかもしれませんけど、そろそろその時期がきているかなと。
――タイムリミットに近づいてきていますよね。もうJ2のギャランティーよりもタイの一部リーグの方が上でしょうしね。
仲山:ちゃんと積み上がることをしないと。日本人ってけっこう「怒られないために仕事をする」傾向が強いです。本質的なことは置いておいて、怒られないように今月乗り切る、今年乗り切るみたいなことを、ずっと続けているだけという仕事の仕方をしていると厳しいですよね。
Yuan Rong:ことなかれ主義になってしまいますよね。
仲山:クラブとしてもちろん赤字は出さないという最低条件はクリアしつつ、余力でちゃんとコミュニティ醸成のようなことを積み上げていくというのをやり続けられれば、どこかで何かが変わる気がします。
Yuan Rong:僕もクラブの株式を少しもっていたりするので、毎期の決算などがわかるわけですよ。だいたいですね、ギリギリ黒字なんですよ。どんな数字合わせをしたのかわからないですけど。
でもやっぱり、成長投資のための資金が必要なので、毎年増資していますよね。そんな感じで、苦しい経営をしているクラブが55もあるので、特にJ2レベルだとそういうクラブが多いですよね。
だから、新しいことをできる余力がすごく狭まっているような気がしています。こういう中では、進化していけるような感じがしないのですが。
――先ほど「現場は悪くない。頑張っている。ただ怒られないようにすること、頭を下げることが染みついてしまっている」という話があったじゃないですか。
仲山:頭を下げるのではなくて、「自分は言われたことはちゃんとやっています」みたいな感じです。全員が言われたことをちゃんとやったとしても、何にも積み上がっていないとしたら、そもそも指示がよくないですよね。
――という日本で、積み上げるという作業を行うためにはどうすれば良いですか?
仲山:僕が楽天でやってきた出店者さん同士の繋がりが密になるような活動って、会社から指示されたことではなくて、KPIにもなっていないんですよ。
なので、僕は社内では「遊んでいる人」に見られていると思います(笑)。でも、こんなに人数が増えてきて、KPIを一生懸命やって足元の数字をつくっている人がたくさんいるんだったら、一人くらいKPIと関係ないことをやっていても会社は潰れないから、やっちゃおうと思って、ずっとやり続けてきました。
するとさっき言ったみたいに、楽天には出店者同士の繋がりという文化や風土みたいなものが生まれました。
Yuan Rong:具体的にどうやって出店者をエンパワーメントしているのですか?
仲山:楽天大学ができる前は、ECコンサルタントとして個別に出店者さんとメールや電話をして、「こんなことをやってみたらどうでしょう」とか色々試行錯誤しながら進めていました。
やっていくうちに上手くいくお店が出てきたり、失敗パターンも見えてきたりするので、それを体系化して講座をつくって、共通言語化していきました。
店長さんは孤独に頑張っていると、心が折れたり、やる気が続きにくくなりやすかったりするので、仲良くなりやすいようにグループワークを多用しました。
ネットの会社の教育機関ですから「オンラインですか?」と言われますが、僕はずっとこれは「リアル」に意味があって、友達ができて帰るというところに半分くらいの価値があると思ってやっていました。
もっと仲良くなりやすい座組みがないかと、二泊三日の合宿をやってみたり、三か月プログラムみたいなのものをやるようにしたりなど、色々と試しながらやっていたら、どんどん良い感じに発酵していきました。
Yuan Rong:面白いですね。
仲山:「この機能ってどうやって使っているの?」みたいな具体的な話から、もっと抽象度の高い経営の話ができる仲間が増えると、みんな伸びていくんです。まとめると、めちゃくちゃ泥臭いことしかやっていないです。
Yuan Rong:それが一番の力になるわけですよね。
仲山:僕はそう思います。サッカークラブも市民との関係性のつくり方などが大事で、マーケ施策が一発当たったからどうとかではないんです。
結局は、人と人とのコミュニティを醸成できるかが大事なんです。サッカーを取り巻く現状から、ゲームのルールを変えたり、どこかで確変を起すためにはそこが一番早いのかなとも思います。
Yuan Rong:なるほど。
仲山:日本では、サッカースタジアムも「仲間に会いに行く場所」にはまだなっていない感じがします。一人でフラッと行っても仲間がいる状態になったら、コミュニティが発酵してきた感じがします。小さい町の方が早く可能かもしれませんね、顔と名前が一致する関係ができるまで。
――小さい街で、そして郷土愛って、すごく大事だと思うんですよ。そういう意味では鹿児島とか福島とかはこれから盛り上げてもらいたいですし。
仲山:どちらかというと、コミュニティって、サイズよりも核になる人がいるかどうかがすごく重要な気がします。
自分がやっている仕事を説明するときに、「ぬか床をかき回す係」と言ったりします。
楽天出店者のぬか床がある。ぬか床って微生物の集まりじゃないですか。たまたま僕が手を突っ込んでかき回したことにより、この人とこの人が出会って何か化学反応が起こるみたいなことを、一緒にぬか床に浸りながら、かき混ぜているというイメージなんです。
そういう係の人がいるコミュニティといないコミュニティとでは、発酵の進み具合いが全然違うと思うので。ちなみに、発酵系の商品を扱っている人と話すと、「ちょっと間違えると腐敗するけど、上手くいくと発酵するよね」という話で盛り上がります。
――けっこうギリギリなんですね。
仲山:ギリギリなんですよ。ある施策をやったことによって、どう結果が出るかはわからないから、ずっと見ているというのが大事なんです。ずっと変化を見ながらちょっとずつチューニングをするのが、コミュニティファシリテーターなんです。
――盤石な方程式では全くないんですね。
仲山:じゃないですね。職人技というか。みんなと繋がって、どの人がどこで何をやっていて何が得意かみたいなことがわかってくると、「価値の共創」が生まれやすい環境をつくれるようになってきます。
Tiếp tục đến Vol.6
「複業」で成功する 元榮太一郎/著 https://www.shinchosha.co.jp/book/610838/
サッカーとビジネスのプロが明かす育成の本質 才能が開花する環境のつくり方 菊原志郎/著 仲山進也/著 http://www.tokuma.jp/bookinfo/9784198649241