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“アマチュア格闘技58冠王”長谷川秀樹が描く、格闘技の未来図【ねわざワールド品川代表】

ひと昔前まで格闘技ジムは、真剣にプロを養成するためのものだった。だが時代が変わりダイエットやフィットネス等、一般の人でも手軽に取り組めるようになった。長谷川秀樹さんが代表を務める「ねわざワールド品川」では、150人以上の会員が在籍し、毎回多くの人が集う。これまで数々のアマチュア格闘技の大会で優勝した彼は「サークル活動のように、格闘技を楽しんで欲しい」と優しく語りだした。

Biểu tượng 70090528 511982836063813 5722354386395463680 nDairaku Satoshi | 2020/06/22
ーー長谷川さんが格闘技に目覚めた、きっかけから教えてください。

 長谷川:格闘技ではないのですが、小学校3年生の時、2代目タイガーマスク・三沢光晴さんを観て、プロレスに興味を持ちました。 

デビュー戦でメキシコのラ・フェイラと対戦した試合ですね(笑)。 

格闘技を始めたのは高校生の時、柔道部に入部しました。 

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――その頃から大会に出場されていましたか? 

長谷川:柔道の寝技は得意でしたが、投げ技が苦手でした。柔道は投げ技が出来ないと勝てないので、勝率は2割くらいでしたね。 

大学時代は、一切格闘技をしていません。ただ4年生の時に、高田延彦 vs ヒクソングレイシーのPRIDE1を観戦し、改めて格闘技に目覚めました。

 ――プロレスファンとして、この試合をどう観ましたか? 

長谷川:東京ドームで高田さんを応援していましたが、あっさり敗れてしまい、ヒクソン先生の凄さが強く印象に残っています。

 それで総合格闘技を習い始めるのですが、当時は格闘技ジム自体が多くありません。それもプロ志望の方をメインとした、初心者からすると恐ろしい場所でした(笑)。 

ジムに入会するかしないか悩んでいた時、エンセン井上 vs フランク・シャムロックを観戦、感動し「和術慧舟會・東京本部道場」に入門しました。

 和術慧舟會が総合格闘技のジムだったため、あの頃はアマチュアMMAの試合に出場していましたね。

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 ――総合だと、長谷川さんが得意とする「寝技」のみの試合ではないですよね? 

長谷川:寝技・投げ技・打撃とありました。大きなMMAの大会でベスト4までは進みますが、打撃が苦手なため優勝することはできませんでしたね(笑)。 

――現在、長谷川さんは「ねわざワールド品川」の代表ですが、どのような経緯で道場を開くことになったのですか? 

長谷川:実は和術慧舟會と並行して、2005年から調布にある「ねわざワールド」に通っていました。

そこから「暖簾分け」のような形で、2011年より品川支部としてサークルを始めたのがキッカケですね。
 

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――「ねわざワールド品川」の月会費が3,200円とリーズナブルで驚きました。
 

長谷川:値段は安く設定しています。月に20回ほど開催していますが、何回お越し頂いても会費は変わりません。
 

主に会員の方は40代の男性の比率が高いです。特に体を動かしたいプロレスファンや格闘技ファンの方が多いですね。
 本格的な道場ではなく、あくまで趣味のサークル活動です。

ブラジリアン柔術自体、取り組んでいる方の平均年齢は高いですが、最高位である黒帯を目指すとか大会で優勝するという方ではなく、月に2,3回来られる方や週1,2回の方など、ゆるやかなサークルになっています。
 

――柔術というと道着着用といった感じですが、体験したい人も必要ですか? 

長谷川:体験の時はジャージやスウェットなど、動きやすい格好であれば参加できます。入会していただくとブラジリアン柔術の道着を1着購入いただく必要があります。

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――長谷川さんは「アマチュア格闘技58冠王」という肩書をお持ちですが、数々の大会へ出場経験があるんですよね。 

長谷川:MMA(総合格闘技)から始まり、グラップリング、ブラジリアン柔術、SAW(サブミッション・アーツ・レスリング)とか、ブラジルで行われたスポーツ柔術の世界大会、愛知でひっそりと行われていた初代タイガー・佐山聡先生のシューティング大会など出場していました。

 25歳の頃、レスリングのスクールに通いまして、その流れでレスリングの大会に出場し2回ほど優勝しています。

 とにかく珍しい格闘技やプロレスが好きですね(笑)。 

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――ところで長谷川さんは、ご自身のSNSで「格闘美女図鑑」を展開していますよね?

 長谷川:昔から、戦う美しい女性の方々にファンタジーを感じていました(笑)。やはり格闘技の底上げには、男性だけではなく女性も必要です。 

そこで「ねわざワールド品川」で女子格闘家のスポンサーとなり、サポートするようにしました。その繋がりが拡がり、また新しい女子格闘家の方と知り合いました。

 今年の4月、お花見が自粛でインスタグラムに写真を載せることができなくなり、何か代わりに美しいものを…と閃いたのが女子選手の自撮り写真を頂き、桜の代わりに載せ始めました。 

――インスタの写真だけではなく、ライブ配信も行いましたよね? 

長谷川:自粛期間で、選手が外出できず家にいるため、私とコラボしライブ配信して頂きました。格闘技ファンを始め多数の方に観て頂きました。 

ライブを見逃した方のために、編集した動画を「格闘美女図鑑」としてYouTubeにアップしています。
 

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――そして、日本で唯一の女子格闘技イベント「DEEP JEWELS」でも、スタッフとして活動されていますよね。
 

長谷川:「選手育成ディレクター」という肩書で、日本中のジムからアマチュア選手を発掘、「アマチュアJEWELS」に出場して頂き、プロへの道標を作るのが私の役目です。

 ただ、日本でMMA(総合格闘技)を行なっている女性が少ないので、見つけるのが、かなり困難です。 

――どのくらいの人数がMMAに取り組んでいるのか想像がつきません(笑)。
 

長谷川:ざっと計算して、日本でアマチュア・プロ・社会人の男性のMMA人口が1〜2万人程度。女性の場合は100〜200人ですね。

 キックボクシングや柔術だけの選手は、もっといると思いますが、残念ながら総合格闘技の選手は本当に少ないんです。 

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――今後、どのように格闘技を広めていきたいですか?
 

長谷川:まだまだ格闘技が世間的に知られていないので、その底上げを図りたいと思います。

「ねわざワールド品川」の価格設定を3,200円にしたのも、金銭的な面で格闘技を始めるハードルを極力下げたいという思いからです。

 また女子格闘技というのは、今はまだ小さな世界だと自覚しています。ですから少しでも認知してもらうため、常に世の中に発信していく必要があります。 

かなり先の話になるかもしれませんが、将来的には世界でも活躍できる選手を発掘したいですね。 

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