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【選手ヒストリー】アストロズからオリックスまで、MLBとNPBで輝いた男ーマーウィン・ゴンザレス(オリックス・バファローズ)活躍の軌跡/2024年プロ野球引退選手

マーウィン・ゴンザレス選手は、バッテリー以外はどこでも守れるユーティリティ性を武器にMLBで11年間に渡り活躍し、2017年にはヒューストン・アストロズの一員として、ワールドシリーズ制覇に貢献した。2019年にはFAによる2年契約でミネソタ・ツインズに移籍。その後はアストロズへの復帰やヤンキースでのプレーを経て、2023年3月にNPBのオリックス・バファローズへの入団が決まり、2年に渡ってプレー。“マーゴ”の愛称でファンからも親しまれた。※イラスト/これ松えむ

Biểu tượng kinggearBộ phận biên tập KING GEAR | 2024/12/06

1989年にベネズエラ北西部にあるボリバル州のプエルト・オルダスで生まれたマーウィン・ゴンザレスは、ラ・セイヨ高等学校卒業後の2005年11月に満16歳以上のアマチュア選手に認められたアマチュアフリーエージェントで、シカゴ・カブスと契約を結び、プロ生活をスタートさせる。2011年には、有望ながらも出番が限られる若手選手を対象に行われるルール・ファイブ・ドラフトの指名を受けて、ボストン・レッドソックスに移籍したゴンザレスは同じタイミングでヒューストン・アストロズへとトレードされ、メジャーリーガーとしてのキャリアを歩むこととなった。

アストロズの未来を築いたゴンザレスの挑戦

2012年に開幕ロースター入りを果たしたゴンザレスは、4月のコロラド・ロッキーズ戦で初出場を果たすと、イチローとマリナーズ時代にプレーしたメジャー269勝左腕のジェイミー・モイヤーから2塁打を放ち、初安打をマーク。どこでも守れるユーティリティ性を武器に存在感を示したゴンザレスは、遊撃手を中心に80試合に出場し、打率.234、2本塁打、12打点の成績で年間を通じてメジャーで過ごすこととなった。2013年には、開幕間もない4月2日に9回2死まで完全試合投球を続けていたダルビッシュ有投手(現:サンディエゴ・パドレス)からセンター前ヒットを放って大記録を阻止。当時は日本球界でプレーしたことはなかったものの、この安打によって、日本にいる多くの野球ファンにもその存在を知られることとなった。翌2014年には、内野に加えて外野手としても起用される場面が増えて103試合に出場。確実性に課題のあった打撃も、打率.277、22本塁打に向上し、存在感を示していった。

MLB全体1位指名でカルロス・コレアが加入した2015年シーズンも、この年新人王を獲得し、その後も数々のタイトルを獲得する遊撃手の加入により出場機会が危ぶまれたものの、持ち前のユーティリティ性を活かして120試合に出場したゴンザレスは、この年も打率.279、12本塁打、34打点をマーク。チームはアメリカンリーグ西地区2位に終わったが、ワイルドカードでリーグチャンピオンシップに進出するも、2勝3敗で涙を飲んだ。そしてゴンザレスが1塁のレギュラーを手にした2016年には打率.254、13本塁打、51打点、12盗塁の成績を残して、自身初の規定打席に到達。ポストシーズン出場は逃したが、ゴンザレスにとっては実りのあるシーズンとなった。

青木宣親も7月にブルージェイズに移籍し、6月に日米通算2000本安打を達成した2017年は、アストロズの歴史において大きな転換点となった。この年に134試合に出場したゴンザレスは、打率.303、23本塁打、90打点のキャリアハイの成績でチームを牽引。5月3日のテキサス・レンジャーズ戦では逆転満塁本塁打を放つなど、勝負強い打席で勝利に貢献した。シーズン101勝(61敗)を挙げ、2位エンゼルス以下を勝率5割以下に追い込む圧倒的な成績でリーグを制したアストロズは、ボストン・レッドソックスとのディビジョンシリーズに3勝1敗で勝利。リーグチャンピオンシップでも田中将大らを擁するニューヨーク・ヤンキースを4勝3敗で退けると、シーズン100勝対決となったロサンゼルス・ドジャースとのワールドシリーズも4勝3敗で勝利し、球団初のワールドシリーズ制覇を成し遂げた。

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「サイン盗み問題」の関与が明らかに…

2018年にも2年連続のリーグ100勝を挙げ、リーグチャンピオンシップに駒を進めたアストロズで、145試合に出場して打率.247、23本塁打、90打点の活躍を見せたゴンザレスだが、翌年の11月にアストロズナインによるビデオカメラを使ったサイン盗みの問題が明らかに…。ゴンザレスはこの問題に関与していたことを認め、のちに正式に謝罪する運びとなった。

2019年にはFAによる2年契約でミネソタ・ツインズに移籍。その後はアストロズへの復帰やヤンキースでのプレーを経て、2023年3月にNPBのオリックス・バファローズへの入団が決まった。

故障に悩まされつつも最後まで全力プレー

日本球界への適応も心配される中、推定年俸1億8,000万円の大型助っ人は、実力の片鱗を見せつけた。4月11日の楽天戦では則本昴大から2打席連続本塁打を放つと、故障による離脱がありながらも84試合に出場して、12本塁打38打点の活躍。打率.217と確実性に欠ける部分は見られたものの、“マーゴ”の愛称で日本のファンにも親しまれた。日本シリーズでは第2戦でタイムリー2塁打、第5戦で本塁打を放つ活躍を見せたが、日本一獲得には至らず、リーグ3連覇の快挙と日本一を逃す悔しさの残る1年となった。

全ポジションを守れるユーティリティ性などが評価され、2024年もチーム残留が決まったが、開幕一軍入りを果たす一方で度重なる故障に苦しみ、シーズン終了前の9月25日に現役引退を発表した。

プロフィール

名前:マーウィン・ゴンザレス
出身:ベネズエラ
生年月日:1989年3月14日
身長/体重:185cm/93kg
投打:右投げ両打ち
ポジション:内野手

通算成績

MLB:実働11年(1139試合出場 打率.252 107本塁打 415打点 44盗塁)
NPB:在籍2年・実働1年(84試合出場 打率.217 12本塁打 38打点 2盗塁)

※記事内の情報は配信時点の情報です(2024年12月現在)