
「あしたも笑顔で」その先に続く“物語”ーENEOSサンフラワーズのキャプテン、バスケットボール女子日本代表として宮崎早織が描く“未来”
「笑顔でいること、それが私らしさの原点です」ENEOSサンフラワーズの一員として、そしてバスケットボール女子日本代表として活躍する宮崎早織。彼女が初めて執筆した本『あしたも笑顔で(ベースボール・マガジン社)』は、華やかなキャリアの裏にある長い下積み、試合に出られず悩んだ日々、そして挑戦を続ける中で見つけた自分らしさを綴った一冊だ。そこには、宮崎選手の意外な一面と共に、競技への真摯な姿勢が垣間見える。彼女が語る「挑戦」「信頼」「笑顔」の物語は、読者の心に静かに響くだろう。※トップ画像撮影/長田慶

「本を出すなんて想像もしてなかった」―初めての出版『あしたも笑顔で』の舞台裏
撮影/長田慶
本を出すなんて、自分には全然関係ない話だと思っていました。でも、編集者の方に声をかけていただいて、『あしたも笑顔で』を出版することになったんです。初めてのことばかりで不安もありましたけど、たくさんの人が手に取ってくれたらとても嬉しいです。
この本を通じて伝えたいのは、「代表選手だからって順風満帆だったわけじゃない」ってことです。よく「エリートコースを歩んできたんでしょ?」なんて言われるんですけど、私の場合はそうじゃありません。長い下積みを経て、ようやく代表に選ばれたし、試合に出られず悩んだ時期もたくさんありました。だから、同じように悩んでいる子たちや、自分に自信が持てない人たちが、この本を読んで少しでも前向きになってくれたら嬉しいです。
ただ、困っている時に手を差し伸べることはあっても、基本的には自分で乗り越えることが大切だと思っています。誰かが助けてくれるのを待つだけじゃなくて、自分で動いて、自分で成長する。そのプロセスが一番大事だと思うからこそ、あえて見守ることが多いです。
今回の出版でキャリアを振り返る中で改めて感じたのは、どんなにバスケットが上手でも、人に信頼されなければ意味がないってこと。信頼関係があるからこそ、チームで戦うバスケの面白さや楽しさを実感できるんだと思います。だからこそ、チームメイトやスタッフとの絆を大切にしています。
撮影/長田慶
タイトルの『あしたも笑顔で』は、一緒に本を作ってくださった編集者が考えてくれたものです。このタイトルを聞いた時、「これは、自分らしいな」とすぐに思いました。笑顔でいることは、自分がずっと大切にしていることでもあるので、本当にピッタリだと思っています。
「『ワンピース』に学ぶチームの力」仲間と目標に向かう魅力
撮影/長田慶
影響を受けた作品として思い浮かぶのは、やっぱり『ワンピース』ですね。長いので最近は少しまとめて読むようにしているんですけど、みんなが1つの目標に向かって進んでいくストーリーに心を惹かれます。
チームとして戦うことの魅力や、仲間との一体感がすごく描かれていて、バスケにも通じるものがあると感じています。もちろん、あんなにうまくいくわけじゃないけど、それぞれの役割を全うして、チーム全体が1つになっていく過程には憧れますね。自分のチームでも、そういう雰囲気を作っていきたいと思っています。
試合前はK-POPをよく聴きます。BLACKPINKやNewJeansなんかを聴くと、自然とモチベーションが上がるんですよね。リズムに乗ることで、試合への集中力が高まる気がします。
「予定は作らない主義」―オフの日は気分次第で動く自由スタイル
普段の生活ではサウナに行くのが好きです。人気のサウナは混んでいるので、ちょっと遠くの静かなところに行くことが多いですね。車での移動も好きで、遠出したり、実家に帰ったりすることもあります。あと、心理学の話を聞くのも面白くて。「なんとなく不安だな」と思った時に、人と話すことでモヤモヤが整理される感じが好きなんです。自分ひとりで考え込まないように、そういう時間を大切にしています。
撮影/長田慶
オフの日は予定を詰め込まず、その時の気分で動くことが多いですね。
「今日はこれをしなきゃ」って決めてしまうと、逆にストレスになってしまうので。試合前のルーティンも決めていないです。その日その時の気持ちに正直に動くことが、自分には合っています。
最近は髪色を少し暗めにしてみたんですけど、すぐに色が抜けてしまうんです(笑)。そのうちまた明るくなると思います。ファッションはK-POPアイドルっぽいダボっとしたストリートスタイルが好きで、自分が「これいいな」と思ったものを気軽に取り入れています。洋服を買うことも多いですね。
「ファンデなし&運動で汗」―シンプルだからこそ輝く美容習慣
撮影/長田慶
体調管理では食事と睡眠を特に意識しています。平均で8時間は寝るようにしていて、9時半には自然と眠くなっちゃうんです(笑)。練習が終わったら、すぐにお風呂に入って食事をして、あとはリラックスするだけ。寮の食事も栄養バランスがしっかり考えられていて、助かっています。最近はグルテンフリーを取り入れたり、水をたくさん飲むことも意識してますね。
美容にはあまりこだわりはないんですけど、ファンデーションを使わないことと、運動で汗をかくことくらい。自分にとってのリフレッシュは「何もしない時間を楽しむこと」。特に、オフの前日に「明日は何もしなくていいんだ」と考えながら過ごす瞬間が、一番リラックスできる時間ですね。
宮崎早織
1995年8月27日生まれ、埼玉県川越市出身。ENEOSサンフラワーズ所属。小学3年生のときに南古谷アクロスに入ってバスケットボールを始め、与野東中学校を卒業後、愛媛県の聖カタリナ女子高校(現聖カタリナ学園高校)に進学。1年時から全国大会に出場し、3年時のウインターカップでベスト5に選ばれた。2014年にJX-ENEOS(現ENEOS)サンフラワーズに入団。2020-21シーズンからスターターに定着すると、同年のWリーグ・ベスト5に初選出され、東京2020オリンピックでは日本代表の一員として銀メダルを獲得。その後は代表チームでもポイントカードのスターターを任され、パリ2024オリンピック世界最終予選ではハンガリー会場のベスト5に選ばれる活躍で予選突破に大きく貢献。自身2度目のオリンピックとなったパリ大会は全3試合に先発出場した。2024年11月6日には自身の半生を振り返った書籍『あしたも笑顔で(ベースボール・マガジン社)』を出版。ファンだけでなく、次世代に向けて積極的な活動も行っている。
Hair&make:Yuzuka Murasawa(PUENTE Inc.)
Ảnh:Kei Osada

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