【セ盗塁王】3年連続で近本光司！球界のスピードスターの活躍を振り返る

球界を代表するスピードスター

近本は兵庫県淡路島の出身。2018年のドラフト1位で大阪ガスから阪神タイガースに入団。2019年シーズンは142試合に出場し、セ・リーグ盗塁王となる36個の盗塁と、セ・リーグでの新人最多安打である159安打を記録。ルーキーとは思えないほどの活躍を見せた。

その後も主力として活躍を続け、2024年シーズンは盗塁数19個で盗塁王を獲得。19盗塁での盗塁王は2リーグ制以降では最少の記録とはなるものの、3年連続5度目の盗塁王受賞となった。

阪神のリードオフマン

2024年4月4日、京セラドーム大阪で行われた横浜DeNAベイスターズとの1戦。3回裏、1アウトランナーなしの状態で打順が回ってきた近本は、セカンド牧秀悟選手のファンブルによって出塁。そして、続く中野拓夢選手への2球目で近本はスタートを切った。松尾汐恩捕手のセカンドへの送球は逸れ、盗塁成功。この盗塁で、近本はプロ通算150盗塁に到達した。球団では、赤星憲広氏以来5人目の達成となる。

4月18日、甲子園に読売ジャイアンツを迎えた一戦。阪神タイガースが1点ビハインドの5回裏。2アウトながら、近本はサード泉口友汰選手の悪送球により出塁。すると中野選手への初球、近本は迷わずスタートを切った。そして余裕のセーフ。セカンドの門脇誠選手はタッチすることもできず、アナウンサーは、「早いスタート。（モーションを）完全に盗んだ」と思わず実況するほどだった。

交流戦に入った6月1日。千葉ロッテマリーンズ戦の9回表。同点で迎えるのは、この試合4番に入っていた近本。デッドボールを受けて出塁すると、続く5番前川右京選手に投げた初球からすかさず走る。キャッチャーはセカンドへ送球することすらできなかった。その後、勝ち越しのホームを踏むことになったため、貴重な盗塁だったといえるだろう。

そして、6月14日、15日のみずほPayPayドーム福岡、福岡ソフトバンクホークスとの戦いでは、2試合連続で盗塁を決めた。相手捕手は、球界屈指の強肩を誇り「甲斐キャノン」の異名を持つ甲斐拓也捕手。14日の試合、2点を取られた直後の6回表、1アウトからセンターへのヒットで出塁で近本がスタートを切る。リバン・モイネロ投手の球をキャッチした甲斐捕手は、流れるような動作で右手に持ち替えセカンドに送球。セカンドベースの少し手前で今宮健太選手が捕球しタッチに行こうとするもこぼれてしまい盗塁成功。続く15日、この日1番に入った近本は1回表にサードへの内野安打を放ち、ここでも俊足を活かして出塁する。スタートを切ると、勢いがつきすぎてセカンドベースを通り過ぎてしまうが何とかベースにくらいつき、見事盗塁を成功させた。

その後も、盗塁を警戒してキャッチャーが大きく外したにも関わらず成功させるなど、さすが盗塁王常連と思わせる活躍ぶりだった。2024年は、盗塁19、打率.285、安打160という成績でシーズンを終えた。

3年連続5度目の受賞

盗塁王に輝いた2024年シーズン。5度目の受賞は、球団OBである赤星さんに並んだ。さらに、6年のうち1度は盗塁王を逃したものの、その年には最多安打のタイトルを獲得。新人から6年連続の打撃部門のタイトル獲得は、プロ野球史上初の快挙となった。

さらに、「ベストナイン賞」「第53回三井ゴールデン・グラブ賞」のセ・リーグ外野手部門も4年連続で受賞するなど、阪神タイガースにいなくてはならない選手なのは間違いない。阪神タイガースは2025年シーズンから藤川球児新監督が指揮を執る。藤川監督は、2025年春季キャンプに、3年連続で赤星氏が臨時コーチとして訪れることを明かしている。走塁のスペシャリストの技を吸収しながら、2025年シーズン近本はさらなる高みを目指す。来シーズンの活躍にも期待だ。

『2024 タイトルホルダー』【セ・盗塁王】近本光司 (阪神)　より
配信日：2024年12月9日(月)

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