
大谷翔平インタビューでの「“たまたま”」は「偶然」と訳す?文脈から考える“より自然な英語”とは
たった数分のインタビューの通訳でも、より良い訳にするためにー。日々 スポーツ通訳による観戦がもっとリアルに楽しくなる英語講座。選手インタビューでよく耳にする「たまたま今日は調子が良かった」「たまたま良い場面でヒットが打てた」「たまたま得点に繋がった」というフレーズ。それぞれの“たまたま”は全部同じ英語で訳してしまって大丈夫だろうか?選手が伝えたいことを、より近いニュアンスで伝えるために、今回は大谷翔平選手のインタビューより、“文脈を読むことの難しさと大切さ”にフォーカスして考えていく。※トップ画像出典/MLB Photos via Getty Images

大谷翔平の「たまたまじゃないかな」は「偶然」を意味しているのか?
2024年10月14日に行われた、同月13日に始まったナショナルリーグのリーグ優勝決定シリーズのドジャースvsメッツの試合終了後の大谷のインタビュー。大谷の活躍もあり、試合は9対0でドジャースが勝利した。
そのインタビューでインタビューアーから大谷に向けてこんな質問がなされた。
「得点につながるヒットを打てた要因はなんですか?」
その質問に対しての大谷の回答は次の通りだ。
「たまたまじゃないかなとは思うので…。チームとして得点圏に多くチャンスメイクしてくれているので、自分自身がより集中できている要因かなと思います」
“たまたま”の英語表現は?
"It's just by chance."
"It's just a coincidence."
"It was just luck."
パッと思いつくだけでもこれだけある。
しかし、たしかにどれも「たまたま」を意味する表現なのだが、これだと「偶然的に」、つまり“ラッキー”だった、というニュアンスを強くなってしまうのだ。
重要なのは“文脈”を読むこと
このインタビューで大谷は、先のコメントと合わせて、
「チームメイトがそういう状況を作り出してくれたから“たまたま”自分が得点圏で打つことができた」というチームメイトの功績を讃えるコメントを残しているのだ。
つまり、彼の発した「たまたま」は単なる“偶然”や“運(ラッキー)”ではなく、チームメイトの貢献によって生まれた結果としての「たまたま」であるといえそうだ。であれば、そのニュアンスを汲み取って適切な英訳を選びたいところだ。
大谷“たまたま”を英訳するなら…?
"It worked out that way, ------"
私ならこのふたつのいずれかを選ぶ。この表現は「偶然」というよりも、「結果的にそうなった」という、“自然な流れや状況の結果として起きたことを意味する。
「運が良かった」ことを強調するよりも、「チームの働きによるものだった」という部分の表現につながるものを選ぶのがポイントだ。
たったひとつの単語でも、通訳者は文脈を読み取り、ぴったりの言葉を自分の引き出しから出せることが理想だ。
引き出しにたっぷり表現のストックを詰め込んでおくためにも、日々の勉強が欠かせない。
そうすれば本当に“たまたま”良い表現が出てくるかもしれないのだから。

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